ドラマが待っていた!

4月17日に岡八幡宮で行われた流鏑馬神事。

当日、主役は一人の女の子でした。

流鏑馬神事とは?

流鏑馬とは五穀豊穣を願い、走っている馬の上から矢を放ち、的を撃つ鎌倉時代から伝わる神事です。

大きく分けて、小笠原流と武田流という流派が存在しますが、最近ではスポーツ流鏑馬と言って、一般の乗馬愛好家の中でもひそかなブームとなっています。

流鏑馬の難しさ

走る馬に乗るだけでも大変なのに自分の身長よりも高い弓を持ち、しかも50センチ四方の小さな的を射る。

見た目以上に難しく、奥が深いのが流鏑馬です。

私ナッキーも射手として参加していますが、自己流な上に、自分の馬以外は乗らないというチキンぶりを発揮しております。

(だって、恐いんだもん。)

格好だけはいっちょまえ・・・

一人の女の子の挑戦

私ナッキーの乗馬クラブ ペピーズホースフィールドは開業から7年が経ちました。

7年経つと開業当初から続けてくれているメンバーの子たちも、かなりの騎乗レベルに達しています。

そんなメンバーを代表して、今年は一人の女の子が流鏑馬神事の射手として挑戦することになりました。

ただ、先ほども述べましたが、流鏑馬は疾走する馬に乗り、自分の身長以上の弓を持ち、50センチ四方の的を射るという、かなりの難易度をようします。

女の子は乗馬歴6年の中学1年生。

僕もチャレンジを勧めたものの、そのチャレンジは前途多難でした。

流鏑馬の練習が始まる

この女の子。Hちゃんとしますが、Hちゃんが練習を始めたのが今年の2月。本番まで2カ月ほどの期間でした。

馬に乗ることは普段から練習しているので、問題はないと思いました。

しつこいですが、流鏑馬は走る馬の上で大きな弓を正確に放たなければなりません。

まず、走る馬の上に中腰で立ち、両手を放すだけでも大変なのです。

・・・勧めては見たものの、2カ月で間に合うのか?

練習期間中のアクシデント

練習をはじめて1カ月ほど、Hちゃんにアクシデントが!!

なんと、手を怪我してしまったのです!!(馬から落ちたわけではありません!!)

うん。これは無理だね。

僕は怪我の程度と期間の短さから、Hちゃんのご両親に今回は断念することをお話ししました。

しかし、Hちゃんは決してあきらめませんでした。

残り3週間からの練習再開

Hちゃんが練習を再開できたのが、3月の後半。本番まで3週間を切っていました。

私は本人の意思を尊重し、練習は再開しましたが、本番への参加はかなり難しいと判断していました。

ただ、Hちゃんの熱意と努力で、思った以上に形になっていきました。

ん?これ行けるんじゃね?

本番まで残り1週間を切って、本番への参加を決断しました。

流鏑馬神事本番

4月17日、岡八幡宮。天候は小雨。

ついに本番の日がやってきました。

いよいよHちゃんの練習の成果が試される時がやってきました。

いつもと違う場所、いつもと違う雰囲気。

人だけでなく、馬も緊張するので、かなりの集中力と精神統一が必要です。

本番が近づくにつれて、緊張感が高まっていきます。

そして本番直前のお祓いがいよいよ始まりました。(この時、前日の高知の農業フェスに参加していた私が舟を漕いでいたのは内緒です。)

そして、大切なことを忘れていました。

俺、練習してないやん。

ま、それはどうでもいいんですが、お祓いも終わり、流鏑馬が始まりました。

的に当たらない

流鏑馬がはじまり、正式な小笠原流の重鎮たちと共に的を射ることになったのですが、重鎮たちはさすがどんどん的を射っていきます。

岡八幡宮の流鏑馬は1枚の的を順番に割っていき、約30枚ほどの的をすべて割り切ったら終わりというスタイルです。(スタイル?)

そんな重鎮たちに混ざり、中学生の女の子が一人、的をめがけて駈けだします。

ただ、練習とは違う環境で、なかなか矢が思うように飛びません。

1回、2回、3回・・・と、矢は的の外に飛んでいきます。

観客からもあきらめのため息が漏れ始めました。

空気が変わりだす

ただ、何回も外している内に、観客の注目は重鎮たちが気持ちよく的を射って行くことから、

「この女の子めっちゃがんばってるな。この子が的を射る瞬間を見てみたい。」

と、Hちゃんに注目が集まりだしました。

3回、4回・・・なかなか的を射ることができない。

でも、Hちゃんは諦めず、腐らず淡々と的を狙って、矢を放っていきました。

矢は少しずつですが、確実に的へ近づきつつありました。

ついにその時が

5回、6回と外してはいましたが、矢の弾道はどんどん良くなっていきました。

その姿を見て、観客からは「がんばれ!」「まだいけるぞ!」と応援の声が大きくなってきました。

Hちゃんのひたむきな姿は、確実に観客の心をとらえていました。

ただ、的の数は残り3枚となり、いよいよ終わりが近づいていました。

ラストチャンス。

Hちゃんは最後の的に向かって駈けだしました。

当たっても外れてもこれが最後。

Hちゃんが矢を放った瞬間。

パカーーーーンと的の割れる乾いた音が神社に響き渡りました。

「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

観客からは今日一番の大歓声が上がりました。

私も神事だという事を忘れて、思いっきり「うっしゃーーーー!!!」ガッツポーズをしてしまいました。

こんな感じだったようです。神事なのに…。

最後に

今回の流鏑馬神事の主役は間違いなく、Hちゃんでした。

本番までの短い準備期間で集中してがんばったこと。

多くの観客の前で慣れない環境の中、集中力を切らさなかったこと。

腐らずに着実に的に向けて、修正をしていったこと。

そして何より、最後まで諦めずに力を尽くしたこと。

これらすべてが、観客に伝わり、大きな感動を起こしました。

この経験が、Hちゃんにとって、かけがえのないものとなったのは間違いありません。

そして、このようなドラマと感動があるから私はこの仕事をやめられません。

子どもたちのくれる勇気と努力がいつも私の背中を押してくれます。

Hちゃんに心から拍手を送りたいと思います。

その感動のシーンが動画に収められています。

岡八幡宮流鏑馬神事 動画

必見です!!

 

 

 

 

 

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